1、裏地の出かた
着物は、袖口(赤〇)とすそ(緑〇)の部分だけ、外から裏地が見えます。
その裏地の巾が真っ直ぐに出ていることが、美しさの基本です。
袖口は輪になっているので、内側になる裏地は緩んでいるものが多いです。真っ直ぐにしかも表地に添うように仕上げることは大変難しいです。すそは上の画像のように仕上げるには熟練の技術が必要です。
袖口 ( 赤 〇 )
すそ ( 緑 〇 )
2、たたんだ時に たて線・よこ線はそろいますか?
あなたの着物をたたんでみてください。たたんだ時、袖、すそ、衿先などが、そろっているのが良い仕立です。
背中を中心に左右対称に仕立てられた着物のはずですから、たたんだ時そろわないということは、どこかゆがんだ着物だということです。着物はたたまれた時間のほうが長いのですから、ゆがんだまま癖がついてしまいます。そのような着物はあなたを美しくは見せてくれません。
3、直線の肩明き
外からは見えないけれど 着物には10センチほどの切り込みがあります。それは肩明きと言って、首に衿を添わせるためにあります。
近年、その切込みは曲線のものが多くなってきています。
なぜ直線ではなく曲線なのか。
直線の切り込みにスムーズな丸みをもたせた衿付けをするのは大変難しいのです。
しかし、そのような曲線の切り込みが入ったものは、仕立替えがしにくいものになります。着物を次の形にできるように、親から子へ子から孫へ伝えていくために、私は直線の肩明きにこだわっています。
4、反物を傷めない印付け
ヘラの印付けは、右の図のような傷痕を残してしまいます。(画像は肩巾のヘラ痕)
お母様が残した着物を自分寸法に仕立て直そうと思うことがありませんか。もし、お母様が貴方より小柄な方だったらあなたの着物寸法は、お母様より大きなものになります。そんな時にこのヘラ痕が傷になって表に出てしまうのです。残念ですね。
私はヘラ痕を残しません。
「切りしつけ」で印付けをします。すべてを切りしつけで標すのは時間のかかる作業ですが、大切な反物を傷つけないためにこだわっています。
↓お仕立てのご依頼・お問合せはこちらから